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本・音楽・映画など

お菓子手帖

お菓子手帖お菓子手帖
(2009/06/18)
長野 まゆみ

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 昨年末に図書館から借りてきて、(なんとかやっと)3分の1まで読んだところで放っておいたのでしたが、耳の調子が良かったので一気に読んでしまいました。耳鳴りがうるさくありさえしなければ、こうしていくらでも読めるんだよな~と、あらためて思った次第。

 お菓子にまつわるさまざまなエピソードを交えた自伝エッセイ、といった趣きです。

 長野まゆみさんは、自伝的なことや家族のことなどをほとんど語らない作家、と以前は思っていたのですが、「コドモノクニ」という本もご自身がモデルであろうと思われる自伝的連作短編小説でしたし、このごろはずいぶん自伝的なことを書かれるようになったのかな。

 じぶんの子ども時代と重ね合わせて読めて、楽しかったです。

 長野さんとは違って東京在住ではないけれど、わたしもかつては、珍しい輸入菓子を求めて東京のインポートマートやソニープラザに通って?いたり、田舎にしてはハイカラで品揃えのあった近所のスーパーの洋菓子コーナーで、分厚い板状の外国産チョコレートなどよく買いに行ってたな、などと、懐かしく思い出したり。鯛焼きの好みやチョココルネの食べ方が、長野さんとおんなじだ、と笑ってしまいました。

 最後のほうに、鴨沢祐仁さんのことがちょっと登場することも思いがけなく嬉しかったです。
 というのも、鴨沢さんがかつてお菓子のパッケージをデザインされていたこともあるからで。

 鴨沢さんは、雑誌「ガロ」に作品を発表していた知る人ぞ知るまんが家で、わたしの同世代でタルホや宮沢賢治が好きという人ならば、鴨沢さんの作品集も所有しているにちがいない。『クシー君の発明』(1980年刊行 青林堂)は、いまもわたしの宝物だ。
クシー君の発明
 わたし自身は、「ガロ」は読んだこともなかったし(むろん名前は知っていましたが)、どこでクシー君を知ったのか、もうさっぱり覚えていないのですが、タルホ&賢治さんつながりであったことは間違いないでしょう。わたしにとっても、クシー君の本は、間違いなく宝物。

 当時長野さんが勤めていた銀座の百貨店が、鴨沢さんがデザインを担当していたお菓子会社と取引があり、食品売り場ではなく、雑貨売り場で商品が売られていて人気があった旨の記述があります。

 ミスタードーナツの景品でおなじみだったイラストレーターの原田治さんはアメリカ的マザーグースの世界を表現して人気を博していたが、それにちょっとおくれて登場した鴨沢さんは、タルホや賢治が活字であらわした世界をまんがとして描いてみせた。七色プリズム、手動ダイナモ、鉱石受信器、ブリキの玩具など、少年アイテムの宝庫である。

 わたしが少年たちをえがくときに小道具として持ちだす、路面電車の火花も、天体観測も、セルロイドのロケットも、学生時代に鴨沢さんの作品にかぶれていた影響だ。


 ひそかにそうかもしれないと思ってはいたけれど、長野さんの作品のルーツは、やっぱりクシー君だったんだ、とはっきり知ることができて、わたしとしては納得、というか、嬉しい気持ちになりました。

 「少年アリス」の生まれた過程も垣間見られたし♪

 冒頭にページを割いて書かれているお爺さまのエピソードは、長野さんが作家になるいきさつの伏線であったのかも。

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-2 Comments

玉青 says...""
鴨沢さんと長野まゆみさん。お二人は同じ空気を吸っているなとは感じていましたが、直接的な影響関係があったことは知りませんでした。

長野さんは何だか好みがうるさそうなので(笑)、似ているけれども(あるいは似ているからこそ)、意外にクシー君を嫌っているんじゃないか…とも思っていました。

そうではなかったと知って、私もちょっと嬉しい気分です。
2011.01.17 20:35 | URL | #3ZrxjN06 [edit]
nona says..."Re: タイトルなし"
>玉青さん
長野さんの好みのうるささは、この本のなかでも随所に感じます。(笑)

直接的な影響、といえば、「三日月国のレプス君」という
クシー君よりレプス君をメインにしたイラストブックの帯に
コメントを書かれていたのはたしか長野さんだったような?、
と思い出してたしかめたら、やっぱりそうでした。

クシー君の影響を思いながら、長野作品を読み返すと
また違った楽しみ方ができるかも、などと思いました。
2011.01.17 23:29 | URL | #- [edit]

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