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本・音楽・映画など

イバラード版画展

 ほんとうならこの連休に、上野の科学博物館で開かれている(13日までだったかと…)「翡翠展」に行けたらなと思っていましたが、それはどうやら無理そうで。でも…!

 病院通いでバタバタしていた私ですが、この間に、夜中の霧や2月の“春の星空”以外にも、よかったことがもうひとつ。それは、思いがけなく、井上直久氏の「イバラード」の(新作を含む)版画作品を見ることができたこと! 
 まさかこんな近間で、版画とは言え、「イバラード」の作品展を見る機会を得られるなんて思いもしなかったので。私は全然知らずにいて、これは友人が教えてくれてのお誘いだったのですが。

 入院当初、病院の先生からとてもキビシイ病状説明をいただいてしまったときはどんなものかと思ったのでしたが。さいわいその後父の症状もしだいに落ち着いたので、これだけはなんとか時間をやりくりして(自分を励ますためにも?)行かないと!、と思いました。

 ギャラリーのスタッフの方に伺って今回初めて知りましたが、イバラードの最近の版画作品はすべて井上氏自らが刷り上げているとか。(版画を作ることもじつはとても大変な作業ということです)
 技法の名前は忘れましたが、絵の縁がぼうっとかすんでいる感じのものが最近の作品らしく。(縁がかすんでいないでくっきりとしているのが以前の技法の版画)
 で、井上氏のサインと言えば、絵の下に書かれた鉛筆書きのカタカナですが、最近の作品にはそのサインの後ろにちっちゃなめげぞうがいるんです。これがすごく可愛くて♪ その部分だけでもいただいて帰りたいような。

 女性スタッフの方に「初めてお会いするとは思えない」などと言われたりして(^^ゞ、思わず話も弾んでしまったのでした。
 井上先生が池袋の展覧会場でギターを弾いてビートルズの「ノルウェーの森」を歌ったという話や(それは友人がしたのですが。私は曲名まで覚えていなかったです^_^;)、「これって長野まゆみさんのCDドラマのジャケットに使われてる絵ですよね」(こちらは私の発言。そのCDは私は所有していませんが)という話や、ルリタバコやソルマの話でほかの方と盛り上がれるなんてことはなかなかないですし。(こう見えても?私は人見知りなほうなので…^_^;)

 いろいろ貴重なお話も伺えました。
 宮崎監督はA型で井上氏はB型(血液型の話です。宮崎監督は“B型の友人が多いA型”なのだとか。私の友人が「私と同じ~♪」と喜んでおりました)などという話から、お二人が知り合うことになったきっかけ、「耳をすませば」の秘めたる?エピソード(いろいろな意味でジブリ作品の転機となったのが「耳をすませば」だったということも)、イバラード作品がどのように描かれていくかというようなお話、さらには版画ならではのとくべつな(!)お得な?鑑賞のしかたまで。
 宮崎監督のご自宅には原画が5枚ほど飾られているという話です。どこかのお医者さまで原画を(たぶん)かなりの数所有している方もいらっしゃるとか。(これはオフレコ?…じゃないですよね?)

 井上氏はかつて高校の美術の先生でしたので、教え子だったという方が展覧会に見えることもあり、そのむかし先生が生徒みんなに配られた「イバラード物語」(最初はきっと自費出版のような本だったのでしょうね)の話をしていかれたりもするそうです。(もう表紙なんか取れちゃって~^_^;とか)
 そういえば井上氏の絵はいまは国語の教科書の表紙にもなっているそうです。現代作家の絵が教科書に採用されるってことは少ないそうですが。

 スタッフの方は仕事柄海外に行くことも多いといい、宮崎アニメの人気の高さはそのたびにほんとうによく実感するそうです。それに比較すれば最初はほとんど知られていなかった井上氏の作品ですが、口コミで徐々に広まっていって、絵画展が開かれるごとに知名度も上がり、最近では絵画に対する目の肥えたNYやパリの人びとの評価も高く、版画作品を手に入れることもなかなか難しくなりつつあるのだとか。

 「イバラード」作品を見ると改めて思うのが、それらの絵がジブリ作品にそれとなく影響を与えている点なのでは?というのが私たちの共通する感想でした。

 最新作の「ハウル」でも、ハウルが少年時代に過ごした家が登場しますが、「あれってどことなくイバラードですよね~」とギャラリーの方が言われて。会場の入口に入ったばかりなのに、そこでずいぶん盛り上がり。おもに私とふたりで。(そこまで一緒に話に加わっていたギャラリーのべつの男性スタッフの方と友人はまだ「ハウル」を見ていなかったため)
 私自身がいちばん思ったのは、キングズリーの宮廷魔法使いサリマンのお付の少年たちに、ノピサ君(ノナ家のいちばん上の男の子)の影を感じたことでしょうかね。(^^)

 ところで、版画展の鑑賞券のなかの井上氏のプロフィール紹介に「宮崎駿氏に見出され」という箇所があり、友人はそこにずいぶんひっかかっていました。「これってちょっと違うような気が…」と言いながら。

 「耳をすませば」で「イバラード」が有名になったという経緯もあるので、“ラピュタ”とか“飛行石”などはとくに、宮崎監督の作品を井上氏がなぞった(模倣したのだろうと言われたことも実際あったようです)と世間では思われているフシもあるのですが、実際にはそれらが登場したのは井上作品のほうがジブリ作品よりもず~っと先なのですよね。
 (でも、そんなことに目くじらを立ることもなく、敢えてヘンに議論を展開させないところがまた鷹揚な井上氏らしいのかも。やっぱり「ま、いっか」のB型性格?)
 
 少女マンガが苦手で、製作会議の段階で、そういう企画が出てくるたびにすべて「却下!」と言ってきた宮崎監督が、「これを作品にしたらどうか?」と、初めて自ら提案したのが「耳をすませば」だったそうです。
 しかし、自分で提案しておきながら、最初にできあがった作品は、ただのありふれた(というと語弊がある?)少女マンガ風な出来に。(原作が少女マンガであるとは言え)
 これが宮崎プロデューサーとしては不満だったらしく。(註・「耳をすませば」は近藤善文監督作品)

 そんな折、まさに運命的に宮崎氏が遭遇したのがイバラードの世界だったのでしょう。(先に高畑勲氏が井上作品を知っていたのが始まりだったようです)そしてその出会いが作品を一変させることにもなったのでした。「耳をすませば」はやはり「イバラード」抜きには考えられない作品なのです。
 (余談ですが、井上氏の原画の色がいままでのアニメの手法では再現することが難しく、このときからジブリで初めてデジタル技術を用いることになったそうです)

 というわけで、ここ数日間、病院漬けの日々だった私としてはあらためてまたイバラードに癒されもしたのでした。

 そしてほとんど忘れていて、思い出したものも。 ― 私が自分と友人用に2冊買い、その1冊をたしか友人の誕生日のプレゼントにしたのだったと思う3D版の「イバラード」画集。(この本を作るのもなかなかたいへんだったと井上センセイはおっしゃってたそうです)
 友人の話にふとそのことが出てきて、「あ、そうだっけ。そういう本も持っていたんだっけ」と図らずも思い出し(サンキュ!)、それをもう1度引っ張り出して眺めてみようかなとも思ったしだいです。


 独り言…病院へはもう1日に2度も往復しないで済みそう。しかし耳鳴りはまた元に戻っちまった~ぃ。(>_<)2日しかもたなかった…。

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