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本・音楽・映画など

ハルモニオデオン

ハルモニオデオン ハルモニオデオン
遊佐未森 (2006/12/13)
Sony Music Direct
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 なんだろう、昨夜ふいに聴きたくなって、久しぶりにかけてしまいました。何年ぶり? しかも夜更けにもかかわらず一緒に歌ってしまったりなどして。(笑) 耳鳴りの調子も落ちついていたものだから。つい。
 (昨年暮れに、リマスタリング盤が出てたのですね。上記のAmason情報はそちらのアルバム)

 もちろんいまの彼女の曲たちも嫌いではないですが、初期の未森さんのアルバムはとりわけ好きだったものでした。そういえば、多くの曲を、彼女が“僕”という一人称で歌っていた頃のアルバムです。「瞳水晶」「空耳の丘」そして「ハルモニオデオン」。

 サウンドも(改めて聴いても、ドラムの響きなど、なんかいい、と感じるのです)、4オクターブの音域を巧みに生かして歌う、彼女の歌い方も。 
 ありきたりな言い方ですが、オリジナリティに溢れたアルバム、といま聴いても感じます。
 一緒に収められた、コンポーザー兼プロデューサー外間隆史さん作のミニ・ストーリーも楽しい。

 なかでも、どれか1枚、と言われたら、やっぱり「ハルモニオデオン」かな。 
 楽譜を持っていたのでキーボードでも良く弾いていました。「時の駅」とか「空色の帽子」とか「僕の森」とか、イントロから印象的なピアノの活躍する曲が多かったですし。

 そのころの未森さんの歌の世界観はかなりファンタジー色が濃い。まさに彼女だからこそ歌える世界観とも思えます。
 どの曲からも物語がひとつ生まれそう。

 たとえば、「ふたりの記憶 ~Man&Iron」のテーマは、有機体と無機体との交流、かな。
 かつては飛行気乗りの若者だった年老いた男と、飛行機の翼であり、そしてそのむかしは草むらを転がされる空き缶でもあった、彼の作ったロボット。
 どことなく稲垣足穂や、たむらしげるさんの世界なども彷彿とさせられ。

 歌詞のなかの“僕”と“君”は、かならずしも男の子と女の子ではないのでは?と思えます。
 たとえば、「時の駅」は、近未来のジョヴァンニとカムパネルラ、あるいは、長野まゆみさんの作品のなかの少年たちの物語、のようにも読めます。
 (このアルバム中の曲ではありませんが、「風の吹く丘」の“僕”と“君”。このふたりも、私は少年同士と解釈しています。そのほうが物語が拡がってみえるので) 

 「M氏の幸福」のM氏、一見孤独で変わり者にも見えていながら、でも彼は幸福なのですよね。きっと。

 ミュージカルの一場面のような「街角」。フレッド・アステアのステップも浮かんできそう。間奏の楽隊(バンド、にあらず)ふうの演奏も童話的な雰囲気があって。これは、街じゅうに“幸せ”の灯りをともす男の物語。

 このアルバムで多くの曲に詞を書いている工藤順子さんの歌詞にはよく“バス”が登場します。“クルマ”でも“電車”でもなく、“バス”。
 「山行きバス~道草ノススメ」。道草大好きな私としては、土曜日の晴れた午後にはバスに乗りたくなってしまいそうな1曲。

 聖歌隊のナンバーのようにも聴こえる、多重録音のア・カペラで歌われるタイトル曲「ハルモニオデオン」で、ラストは締めくくられます。(楽器とコーラスで構成されたヴァージョンの同曲も3曲目に収められています)

 アルバムうしろのクレジットを眺めるのもまた楽しい。
 佐橋佳幸さん(現在はギターデュオ山弦メンバー)がさりげなく?参加していたり、イントロのホルンの音色が印象的な「暮れてゆく空は」のストリングス・アレンジが、溝口肇さん(「世界の車窓から」などの音楽を担当)だったことに気づいたり、マスタリングされたのが信濃町のCBS/SONYスタジオらしく、ああ、たしか、ラランデ邸へのお散歩途中に通りかかったことがある、あのスタジオかな~?と思ったり。
 そういうなんてことない、ちょっとした発見もできて。

 これを聴いていた時期、母の看護などで個人的にはけっこう大変な思いをしていたりもしたのですが、このアルバムにはじつは当時ずいぶん助けられていたのかも、そんなことも思った1枚です。 

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